7/29/2005

Sculpture


my sky hole
Originally uploaded by Yoichiro.



【Japanese】
彫刻は置かれるものである。もしかすると置かれない彫刻というものもあるのかもしれないけれど、かたちのあるものである限り、まあ、まずどこかに(例えば真っ暗な倉庫の中であったとしても)それは置かれるだろう。カレーの市民のところでも書いたけれど、彫刻には置かれる場所がある。

空の穴は、空にあいた穴?空を切り抜く穴?

これは僕が好きな彫刻作品。たぶん見たことのある人も多いはずだと思う。大きな作品の一部だけを見ているから一体どんな作品なのかわからないと言われるかもしれないけれども、この作品のタイトルは『my sky hole』。

僕は、この写真に写っているものを彫刻だと言っても差し支えないのではないかと思う。この彫刻をみるとき、彫刻にとって置かれる場所がどんなに重要かということを考える。あの空がなくなってしまったら、この作品はきっと台無しである。こういうのもEarth Workといえるんじゃないかな。その辺については、もう少し勉強してからいつか言及したい。

ところで、この作品は穴のあいた大きな銀色の球体である。だからこの作品には周りの全てのものが取り込まれる。黒い穴のあいている部分を除いては。だから、空にも穴があくのである。

この美しい彫刻は、東京都美術館の広場に「置かれて」いる。


井上 武吉 Bukichi Inoue 『my sky hole 85-2 光と影』
TOKYO METROPOLITAN ART MUSEUM